満腹感と空腹感について考えてみる

食欲の正体とは



ダイエットに取り組む人、または健康のために食事制限をする人にとって、最も課題となるのが食欲のコントロールでしょう。

この食欲。
なぜ沸き上がるのか?
人によって食欲の感覚や満足度が違うのは何故なのか?このあたりの疑問について校長なりにまとめてみましたので、興味のある方は読んでみてください。

人間の三大欲求と言えば、食欲、睡眠欲、そして性欲です。
ダエイットで重要なのは食欲と睡眠欲。
この2つをコントロールできればダイエットはある程度成功します。
人間は食い貯めをする事ができないので、殆どの人は1日の間どこかで空腹を感じ、食べれば満腹感を感じます。
この空腹感と満腹感に個人差があるという事に少なからず疑問を感じる人も少なくないでしょう。
少し食べれば満足する人、たくさん食べても満足しない人などなど。

まず空腹感と満腹感も脳が管理しています(これは常識ですな)。
視床下部という脳の中心に近い部分の近くに、摂食中枢と満腹中枢があり、これらがお互いに働き合って食欲を調整しています。
少し難しい話になりますが、大切な事なのでまとめみましょう。

まず人が毎日行動するために必要なエネルギーは食べ物の中に含まれている炭水化物や脂質、たんぱく質です。
炭水化物は小腸で分解されてグルコースとなり血液に吸収されます。
そしてこのグルコースの量が増えると膵臓からインスリンが分泌されて血液中のグルコースの量を減らし、このグルコースとインスリンは血液の流れにのって脳の満腹中枢を刺激して食欲を抑えるというわけ。

余談ですが、エネルギーとして小腸から分解されて血液に入り込み、インスリンと共に脳に運ばれるには多少の時間がかかります。
つまり食事をしている最中には本当は十分満腹なのかもしれないのに、このタイムラグによって過剰に食べてしまうことがある。
そのため早食いをすると、十分満腹であるにも関わらず追加のエネルギーを得る事になるという理由で「早食い=太る」という図式になるわけだね。

また、満腹中枢を刺激するのはグルコースとインスリンだけではないことも分かっています。
それは物理的な胃の膨張。
膨らんだ胃の細胞が刺激となり満腹中枢へ信号を送る事も医学的に証明されています。

コラムでなるべくお茶や食物繊維、膨らむものを食べる事で満腹を感じやすいと書いているのは、この理論を活用しようという事です。

よく肥満患者の治療のために胃の切除を行うケースを耳にしますけど、これは小さくなった胃によって、それだけ早く豊満感を得て満腹感を得られるようにするという理屈で行われる医術です。


食後、しばらくすると今度はエネルギーが不足するようになります。
この際、体内は貯め込んでいたエネルギーを使いましょうというモードになり、皮下脂肪が分解されて肝臓に送られ、中性脂肪の残骸である脂肪酸が残ります。
この脂肪酸は血液を流れて脳に運ばれ「摂食中枢を刺激」し「満腹中枢の働きを抑え」ます。
つまり体内のエネルギーを使い始めると空腹感を感じるというわけです。

食事間隔が開くと、体はエネルギーを体内の中性脂肪を積極的に分解して脂肪酸を脳に運びます。
すると摂食中枢が刺激されますから腹が減るという仕組み、これは理解しておきましょう。


余談ですがストレスを感じると、食べられる人と食べられなくなる人が居ます。
校長はまったく食べられなくなる人です。
これ、医学的には判明していないそうです。
どうやら人によって大きく前者と後者で別れるそうですが、この研究は後世に託しましょう。


食事量は慣れさせる事が出来る

よく胃が小さくなる・・・という表現をする人が居ますが、物理的に胃が小さくなる事はないので、少ない食事で満腹感を感じられるようになる状態という事になります。
一般的に言われているのは、一気に食事を減らすのではなく、徐々に減らし始めると体がその食事量で満足だと思い込み、足る事を知るようになるという理論らしいです。
実際肥満患者にもこうして食事量を減らして行くそうです。

つまりダイエットの食生活で重要な事は、明日から絶食する事では無く、毎日少しすづつ食事量を減らしてゆき、少ない量でも満足できる体質を手に入れるという事なのですね。


別バラは存在した?!

人間の高度な脳の機能に前頭連合野という部位があります。
例えば単に生きていくためであれば、味は無視してエネルギーのあるものであれば何でもよいということになりますが、人は拘りの食事をしたいと思うものです。
例えば「あの店のあの料理が食べたい」「今日はイタリアンが食べたい」などは「エネルギー摂取+拘りの食事がしたい」という事になります。
この拘りを司るのが前頭連合野です。

この前頭連合野は理性的に物事を考えたり、分析したりする部位で、人の知的な活動を担う部分。

前頭連合野は過去に食べた物、また外部情報から得られた情報を記憶し、見た目、香り、温度、食感、味そのものを記憶しています。
つまりあの時食べた物が忘れられないので再度食べたいという場合には、この前頭連合野に蓄積された情報を元に判断しています。
そして健康のため「食べるのはこの辺でやめておこう」とか「不味くても健康に良いから食べよう」と判断をしているのもこの前頭連合野。
なんと素晴らしい脳の機能!。

しかし沢山食べたはずなのに、何故か甘いものは食べれてしまう・・・。
物理的に考えれば無理なのに何故入ってしまうのか?
実はこの秘密に関与しているのも前頭連合野らしいです。

たとえばビュッフェで沢山食べた後、目の前に大きなパフェが現れたとする。
すると胃袋は満腹なのに少しなら食べたいなぁ・・・と思うでしょう。

実は多く人が感じている満腹感とは「本当の満腹」ではなく「味に飽きた満腹感」であることらしいです。

例えばレストランのコース料理などでは最後に提供されるデザートのような甘い味付けの料理はほとんど前半では出てこないですよね?。
つまりこの時点で味に飽きているという事が判断できるわけ。
そこで最後に味の全く異なる甘い味のデザートを持ってくると、前頭連合野が刺激されオレキシンという物質を放出して胃袋の入り口部分の筋肉をゆるめ、出口の部分を広げて胃に物理的なスペースを作りだす。
実はこれが別腹の本当の正体なのです。

これは甘いものを食べ続けた後、塩気のある食べ物を目の前に置かれた時などにも当てはまります。
よく大食いファイターが「味変」といって調味料などで味を変えるのは、この前頭連合野のオレキシンを上手に活用したテクニックなのですね。

さて、この情報だけではあなたの食欲を調整することは難しいですが、原理と理屈を知ることで多少の判断材料にはなるでしょう。

つまりこれはあくまでも食事の1例ですが、様々な味のものをゆっくり租借して食べる事で、別腹として何かを欲することもなくなるし、時間を掛けて食べる事で血液から脳に運ばれる時間が稼げ、満腹感を感じやすくなる。
そのため過剰な過食を防ぐことが出来るということになるかも?と思うわけです。