食後、とりわけ女性が甘いものを食べる際に「これは別腹」と言うフレーズを耳にします。
でも人体の構造で本当に甘いものが別の部分に収まるわけではないわけで、多くの場合「甘いものならまだ食べられる」という意味で使われます。
さて、考えてみましょう。
なんでこんな言葉が生まれたのか?。
別に言葉や単語に悪意はないし、放送上問題のあるフレーズも見当たらない。
食べる言い訳として使うのも特に問題ないし、むしろ可愛い。
校長が気になるのは「何故甘いものなら食べられるの?」という素朴な疑問なわけ。
そこでこの言葉が使われる食事シーンを少し回想してみます。
ランチやディナーなど本来の食事をわずか1口しか食べないですぐにスウィーツを食べたとしましょう。
この場合、会話の中に「別腹」という単語が出るでしょうか?
おそらく出てこないでしょう。
多くの場合、本来の食事をそこそこ摂った後に甘いものを食べ始める際に交わされるはずで、つまり「食後」であって「それなりに食べた」状態と言えます。
人は食事をすると血糖が上がります。
そしてその血糖を下げるためにインスリンが分泌されて血糖値を下げるわけです。
満腹感とは、血糖値によって脳が感じる状態で、食物が消化されて血糖が上がるまでには約30分程度かかります。
この「隙間」に食べる量を調節しないと、本来の満腹感を超えて食べ過ぎてしまいます。
そのため「早食い」は太る要因の一つなわけです。
さて、血糖値が上昇すると体はその値を正常値へ戻そうとインスリンが分泌されます。
早食いや糖質の多い食事をすると血糖値が急上昇し、大量のインスリンが分泌されてより強く血糖値を下げようとします。
血糖値が上昇したのと同様に、下がる際にもわずかに誤差が生じます。
それは慣性の法則に近いようなもので、本来の正常値よりも若干下回って下げ過ぎてしまうわけです。
すると今度は低血糖状態となり、肉体には十分なエネルギー充填が行われたのにもかかわらず、脳は空腹だと思いこみ、血糖値を上げるためのトリガーである「糖質」が欲しくなります。
これが食後に甘いものを食べたくなる理由であり、別腹という言葉が生まれた由来だと考えられます。
当然食べた分はオーバーカロリーとなって体重増加要因になるでしょう。
これを防ぐには、ゆっくりと食べること。
そうすれば血糖値の急上昇を防ぐことができるので、ほどよい満腹感で食欲をセーブできるわけです。
