物事が続かない人への処方箋

ダイエットの目標を達成できない人へ


ダイエットも仕事も、本質の部分では同じ。
それが私の考えです。

例えば人は、通常目標を掲げて努力をし、自己実現したいと願うでしょう。

しかし、目標というのは、自分の今いる場所とは異なるところにあります。
「今」「現状」というのは、居心地よいもので、それは人が本来持っている本能でもあるホメオスタシス理論によってなされます。


例えば体温を例に挙げると、おおよそ人は35度~37度前後をうろうろしています。
それ以上にあなると汗をかいて体温を下げ、それ以下になると体を震わせて体温を上昇させようとするでしょう。

この機能がホメオスタシスです。

この数度の範囲がコンフォートゾーンといい、人が地球で生活する上で都合の良い温度なのだということになります。

「コンフォートゾーン」居心地の良いゾーンは、体温だけでなく、精神的な部分、つまり思考にも影響します。

先に挙げた目標にですが、例えばそこはあなたが変化し、努力しなければ到達できないとしましょう。
自分ではそこに向かいたいのに、無意識がホメオスタシスを機能させ、現状へとどまろうとするのです。

5kg痩せたいと思うために、食事制限や運動をしなければならないと頭では理解していても、日々の生活の中に食事制限や運動という習慣がなければ、それはコンフォートゾーンの外にあるために、体が無意識に排除しようとします。
痩せられない、食事制限ができない、運動をさぼってしまう、これらの事はあなたのホメオスタシスが機能している証拠であり、実に正常な生命の現象なのです。

ではどうしたらこのコンフォートゾーンの外へ旅立てるのでしょうか。

基本的に人はコンフォートゾーンから外れるとIQが下がります。
例を挙げると、あなたがサバンナで肉食動物に出会ったとしましょう。

何をかさておき逃げなければならない時、IQが高いと裸足で走るリスクを考えたり、目の前に川があったとして、その深さはどれくらいだろうかなどと考えてしまいます。
しかし、何よりも先に逃げることに注力しなければならない時には、そうした注意力はむしろ邪魔になります。

そのため脳はIQを下げ、無駄な思考にエネルギーと時間を使わず、逃げるために体の神経を鈍感にさせて石を踏んでも痛みを感じないような状態にするわけです。


ダイエットも、本来は5kg痩せたいために食事制限しなければならないのに、食事を我慢するとコンフォートゾーンから外れIQが下がり、そのために我慢するという知的行動ができなくなるわけです。
運動も同じです、やった方がよいことはいつもならわかっているのに、続かないのはIQが下がり、運動する大切さを、それほど大切な事ではないように理解してしまうわけです。

これを解決するには、いつもの生活、つまりコンフォートゾーンの中に制限された食事、運動習慣を組み込むわけです。
人は14日続けると習慣化しますから、最初は嫌でもやり続けて慣れるしかないのです。

しかしある程度続け、今度は運動することが心地よいと感じ、コンフォートゾーンに組み込まれると、今度はやらない事が苦痛になります。


そう考えると、ダイエットを成功させるコツは、やった方がよいと思う事を2週間だけ続けるという事です。

何かに取り組む際、このコンフォートゾーンの概念を理解していると、実に多くの事が達成可能になり、目的へ到達するための一つの明るい道になるはずです。